彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
「嫌みですか?」
「そんなわけないだろ。君には助けられてる。それに秘書としても実は有能だと思う。本当は業務の仕事を取り上げたいところだが、プロジェクトも近いしね」
そんなことしてみなさい。
秘書なんてすぐにやめてやる。
「プロジェクト頑張りなさい。二年目だが、君には五年目くらいの見識がある。追い込み時には秘書を休んでもいいよ。ただし、戻ってきたときは覚悟しろよ」
私は笑顔で立ち上がった。
「ありがとうございます。そうさせていただきます」