彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
同期
「今期の提案賞は新村君と森川さんの商品に決まりました。おめでとう」
私達はハイタッチすると抱き合って喜んだ。
今日は新商品提案プロジェクトの最終選考。去年も最終選考まで残ったが惜しくも三位だった。
今年こそはと臨んだ結果、第一位になった。嬉しい。
「やったな、森川さん。おめでとう」
部長が褒めてくれた。長田さんが睨んでる。すっかり嫌われたなー。
指導員だったのに、今や私の方が商品に詳しい。申し訳ないけどしょうがない。
「新村君。君も良く頑張ったね。森川さんが時間がないところをよくフォローした。たいしたもんだ」
部長が巧の背中をバンバン叩いてる。痛そうだよ。