彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
「そりゃそうだろうね。俺の涙を無視してそっちに注力してたんだしね」
「そんな言い方卑怯です」
「うるさい。俺だって大変だったんだよ。さっさとこっちに戻れ」
「……あの。今日は残業できないです。お許し下さい」
「……祝勝会か?」
「はい。すみません」
「いいけど、飲み過ぎるなよ。明日からしっかり頼みたい」
「はい。そうします」
私は時間までとにかく本部長の周りの書類をかたづけることに集中した。あっという間に時間となってしまった。