彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
 
 「遅れてごめん」
 
 「いや。俺も今来たとこだよ」

 「カンパーイ」
 
 ふたりでビールを飲み干す。

 「巧。この店すごいね。雰囲気もいいし、このお通しもしゃれてる」
 
 「そうだろ?噂には聞いていたけど、何か普段入れない感があるからさ。今日はうってつけだと思ったんだ」
 
 「ありがとね」
 
 「ああ」
 
 「……そうじゃなくて。あの、いつも色々フォローしてくれてたんでしょ。私、影で色々言われてるから……」
 
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