彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 ふたりで黙々と食べる。美味しすぎる。私も料理はするけど、これは美味しい。

 何入れてんのかな?すぐ作る方へ頭が傾く。喫茶店気質が抜けないのよね。

 最後に抹茶入り白玉ぜんざいが出た。

 ううむ。これは喫茶店でも出せる。最近は、和のものも出してるんだよね。

 ひとりでにまにま食べていると巧から声をかけられた。

 「菜摘」
 
 「なに?」
 
 「お前が好きだ。俺と付き合ってくれ」
 
 「……え?」

 びっくりして、白玉をかまずに飲み込んでしまう。
 
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