彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
「巧。ありがとう。嬉しいけど、えっと。私まだ同期としか、違う、特別仲いい同期としてしか巧のことを見たことなかった」
「……そうか。これから違う目で見てくれないか?」
私はどう答えたらいいかわからなくて困った
。
正直、恥ずかしいことに異性関係の経験が皆無だった。
好きな人はいたけど、告白したこともないし、告白されたこともない。
私、実はまだ二十二歳。二年目だけど、短大卒の人と同じ年。高卒で家の仕事はじめたから、なんだけどね。
「少し。待ってくれる?ち、違う目で見てみるよ」
巧は笑っている。
「どのくらい待ってればいいんだよ?」