彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
看病
翌週。
とりあえず、巧のことを考えて土日を過ごしたが、考えてもどうしようもない。
要するに、そういう対象として考えていなかったので、急に好きになれ、付き合えと言っても無理だとわかった。
しばらく考えながら生活しよう、そうすれば変化があるかもなどと勝手に想像しながら、本部長室へ入る。
はー。ため息。すごい書類。そうでした。今日からこれと格闘するんでしたね。
「おはようございます」
「はよ……ふー」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃない。早く何とかしてくれ」
声がかすれてるけど、書類で顔が見えない。
とりあえず、頑張りますと言って、腕まくりして片付け開始。