彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
 
 カランカラン~♪

 「あー、菜摘ちゃん。久しぶりだねー」
 
 大好きな緑ちゃんが笑顔で迎えてくれた。
 
 「緑ちゃん、元気?お兄ちゃんにいじめられてない?」

 「なんだよ、菜摘。久しぶりに来てその言い草はないだろう。お前、兄が優しいのを忘れたのか?」
 
 お兄ちゃんが緑ちゃんの声を聞いて、バックヤードから顔を見せる。

 確かに優しいし、割とイケメン。自慢の兄です。

 「お兄ちゃん、幸せぼけで大丈夫?デロデロしてるんでしょ、どうせ……」

 お店の常連さんが皆笑い出した。

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