彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 「ああ。すまん。帰るわ」
 
 「お車回しますね」
 
 私は急いで電話した。

 「森川さん。ついて行ける?ご自宅まで……」
 
 「え?」
 
 「俺ね、社長のこと頼まれてるから、この後一緒に行けないからさ。頼むよ」
 
 秘書室長に頼まれて、本部長のコートとかばんを手に下まで降りた。
 室長が本部長に肩を貸している。

 「……水」
 
 本部長が言うので、急いで水を調達してきた。
 すると、タクシーの中でかばんからピルケースを出す。
 
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