彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 「森川さん、これ二錠出して。水キャップ開けて」
 
 言われたとおりにして、本部長の口に錠剤を放り込み、水を投入する。
 ゴクンと飲み込むとばったり私の肩に持たれて寝てしまう。

 運転手はいつもの人なので、何も言わずにマンションへまっしぐら。
 
 すごいマンション。セレブ一族は伊達じゃ無かった。

 指紋認証で入っていく。
 部屋へ入ると、三LDKくらい。部屋数はないが、広い。

 ベッドルームへ彼を運び、とりあえず冷蔵庫を拝見。
 むむ。何もない。
 
 しょうがないから、鍵を下さいと言って、外に出ようとしたら指紋認証だといわれてしまう。
 コンシェルジュに連絡して買ってもらえというのでしょうがないからそのようにする。

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