彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
「いや、菜摘ちゃん。その通り。もう、こっちが見てらんないくらいイチャイチャしてるんだよ」
ふたりは真っ赤になってる。しょうがないなあもう。
「皆さんすみません。長い春で中々くっつかなかったから許してやって下さい」
私は皆さんへ頭を下げた。また大笑い。
商店街の人達が土日は緑ちゃん目当てで来ると言っていたがすごい人気。
店にとってはありがたい話だよね。
「ごめん、お兄ちゃん。緑ちゃんに相談があるの」
緑ちゃんは目配せすると、私の腕を引いて中へ行く。
キッチンの片隅でハーブティーとクランベリーのケーキを食べながら話す。