彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
「……牽制ですか?」
「牽制ね。当たらずとも遠からじってとこかな……」
新村は深呼吸をして話し出した。
「僕が彼女に告白したこともご存じなんですね?」
「悪いね。言っておくけど聞き出したわけじゃない。彼女はそういうのすぐ顔に出るし、行動に出てしまうんだよ。免疫ないみたいでね」
新村はため息をつく。
「そうでしょうね。隠すこともできないし。仕事以外は恐ろしくウブです」
「そうだな。それが魅力でもある」