彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 「え?」

 デザートが運ばれて、コーヒーが出てきた。

 「業務部の仕事は春までで終わりになる。引き継ぎをそろそろはじめてもらうつもりだ」

 「……嫌です」

 俊樹は目をじっと見ている。
 
 「その返事も予測していた。でも、ダメだよ。許さない。これだけは絶対に譲れない。君はね、今日から公私共に僕のものになるんだよ」
 
 「どういうことですか?」

 彼は箱からネックレスを取り出すと私のうしろに回って首につけた。ダイヤモンドが中央に輝く、シンプルなもの。つけやすいタイプだ。
 
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