彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 「良く似合う。これでも悩んで買ったんだ。気に入ってくれるかな」
 
 彼は私の前に座ると両手を握ってゆっくり話した。

 「菜摘……好きだよ。分かってたと思うけど、君も僕を拒絶しないからね。気持ちがあると思うんだけど、違うかな?」

 「ネックレスとても素敵です。ありがとうございます。俊樹さんのこと、おそらく私も好きです」

 下を向いて話す。

 彼は私の顔をつかんでじっと見つめた。

 「さあ、デザートを食べて、バーへ移動しよう。じっくり話し合おうか」

 そう言うと、フォークを皿へ向けた。

 レストランを出て、最上階のバーへ連れてこられた。すごい景色。さすがにクリスマス。カップルが大勢いる。

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