彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 「話がおかしい。理解できません。私、そんなつもりじゃない。俊樹さんがそんな大きな会社の人だなんて、他へ戻るとか……」

 パニックになっている私を彼は抱きしめて、荷物とコートを片手で持つと、私の手を引いてバーを出た。

 エレベーターに乗せられるとすぐに壁に押しつけられた。びっくりして顔を上げたら彼の顔が近づいてきた。
 
 目をつむるとキスされていた。息をしたらすぐに深いキスになった。

 チンという音がして、ドアが開いた。

 すると、私の手を引いて、奥の部屋の前まで来ると、カードキーを入れてドアを開ける。

 押し込められて、またキスされた。身動きひとつできやしない。

 一度離れたがまた、角度を変えてキスをする。腰が砕けてずるずる下がる私を足を入れて拘束する。
 
 私はなすすべもなく、彼に堕ちた。

 
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