彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
 
 彼は私の髪をいじっている。

 「菜摘。僕の正体を明かしたのは君を僕の中に入れるためだよ。君は僕の恋人兼秘書になる。そして、いずれ僕の人生の伴侶になるんだ」

 私はびっくりして、彼を凝視した。

 「ちょ、ちょっと待って。それって、プロポーズ?」

 私の頬を撫でている。

 「当たり前だろ。一生どんなときも一緒にいてもらうつもりだよ。俺はね、仕事もプライベートも一緒がいいんだ。やっと見つけたよ。菜摘なら全てを任せられる。そして、こんなに可愛い」

 そういって、また覆い被さってきた。

 身体をくすぐられて、また、おかしくなる。

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