彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 「ああ、だめ、やめて……」
 
 「捕まえた……もう全部俺のものだ……たくさん印をつけてやるからな」

 そう言うと、あちこちにキスマークをつけていく。

 まだ、身体が痛いと言ってもなで回している。

 菜摘は理性が飛んでしまい、自分が自分でないような感覚におかされて、戸惑いが隠せなかった。
 
 ホテルをチェックアウトして家の近くまで送ってもらったが、またキスしようとするので、誰に見られるかも分からない場所でやめてというと、額に軽くキスして帰って行った。

 家に帰っても両親に顔を見られたくなくて、よそよそしくしている。
 
 母親はクリスマスにおしゃれな格好をして外泊帰りの彼女を生温かい目で見ていた。

 最近外泊が多い上、綺麗になった娘に男の影を感じていた。
 
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