彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
それなのに、その決心も、今までのキャリアもすべてを彼に取り上げられてしまう。
菜摘は悩み続けた。なぜなら……他でもない。彼を愛しはじめている自分を認識したからだ。
これ以上大人の関係を続けると、拒みきれないと警笛が鳴っている。
結局どちらも選べない菜摘は、前日寝かせてもらえなかったこともあり、気付けばベッドのうえであっという間に寝てしまった。
翌日出社すると、彼はすぐに彼女を部屋へ入れて、ブラインドを下ろし、鍵をかけた。
「菜摘会いたかった」
そう言うと朝だというのに抱きしめて、顔をのぞき込む。
菜摘が彼の目を見た瞬間、顔が下がってきてキスされた。