彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
菜摘は目の前の俊樹が怒っているのを見て、驚いた。自分は何かまずいことを言ったのかと焦った。
社内恋愛だろうと、社外恋愛だろうと、それは普通のことではないだろうか。
「もしそうなったとしても、お仕事ですからしょうがないことですよね?平気ではありませんけど、それは受け入れないと……」
怖い。すごい目で睨んでいる。
「そうか。俺はお前にとって、その程度なんだな。よくわかった。作戦を変えた方がよさそうだ」
「そんな。私は俊樹さんのこと好きです」
「俺の求める好きは一般的な好きとは違うようだ。ゆっくり教えてやる。とにかく、引き継ぎやっておけ。仕事を始めよう」
そう言うと、椅子に座りいつものようにパソコンを見始めた。