彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 「昨日話したばかり。こればっかりはコウノトリだからね。でも嬉しい。奏ちゃんの子供だもん」
 
 にっこり笑う緑ちゃん。結婚して本当に綺麗になった。お兄ちゃんの溺愛も分かる気がする。

 私は妙に納得してすっきりした。
 
 「緑ちゃん。身体大切にして。そしてありがとう。私就職する」
 
 緑ちゃんは私の背中を叩いた。
 
 「それでこそ、我が自慢の妹。好きにしなさいな。味方してあげる」
 
 嬉しい。泣きそうだよ、私。
 
 「やだ、泣かないでよ、菜摘ちゃん」
 
 緑ちゃんの声にお兄ちゃんが入ってきた。
 
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