鬼の子
「私にきたボールは、バンバン鬼王さんに渡すから。ボール奪われたら、敵チームにディフェンスしてもいいよ?面白そう」
ふふふ、っと意地悪に笑いながら話す彼女は、思ってたより子供っぽく見えて可愛らしかった。
「ディ、ディフェンスは・・・・・、怖がらせちゃうから・・・・・、ダ、ダメだよ」
盛大に噛んだ。悪口や中傷を言われ続けて心にトラウマを抱える私は、女子生徒と話すのに緊張してしまって上手く喋れなくなる。
「ふふっ。冗談だよ」
あれ?なんで綱くんと話す時は緊張しないで話せるんだろう?
綱くんの前だと、鬼の子だということを忘れて、普通に喋れちゃう。
ふと、脳裏に綱くんの顔が浮かぶ。