鬼の子



「茜が怪我した時、俺校庭でサッカーの試合してて、怪我をしたことも後から知った。何も出来なくてごめん」


隣を見ると、悲しげな表情で謝っている。


「・・・そんな、光希が謝ることじゃないよ。
私は、全然平気だし」


「綱が、助けてくれたのか?」


「・・・うん。私、バスケの試合が始まったら緊張で固まっちゃって・・・・・。綱くんがいなかったら、どうなっていたことか。綱くんって、本当に凄くてね、クラスのみんなも・・・・・」


話しながら光希に目を向けると、哀しげで今にも泣き出しそうな目をしていたので、驚いて言葉が止まった。
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