鬼の子




なんて声を掛けていいのか分からず、無言の時が流れる。



たわいのない話をしながら歩いていた帰り道。
子供の頃から一緒に帰っていて、話が尽きることはなかった。


こんなに無言が続くのは、私達にとって初めてかもしれない。



私は自分がどうすればいいのか分からず、天を仰ぐと、オレンジ色の空が広がっていた。


震えていた手や、彼が勇気を出して伝えてくれた言葉達。しっかり向き合おう。



心でそう思いながら、隣の光希の横顔を見つめた。
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