鬼の子
えっと、どうしよう。
・・・なんて返せばいいんだろう。
「なに?何事?」
困り果ててる時に、あくびをしながら気だるげそうに教室に入って来たのは綱くんだった。
私の隣に立ち止まった彼に視線を向けると、白いYシャツを腕捲りをして、筋張った腕が目に入る。
途端に、昨日のお姫様抱っこされた光景が脳裏に浮かんで、頬だけでなく耳まで熱くなるのが分かった。
「俺ら、今まで鬼王さんに酷いことして来たから・・・・・、謝ってたんだよ」
状況を把握出来ていない綱くんにクラスの男子生徒が言いにくそうに、気まずい顔をしながら説明をした。
私とクラスメイトの顔を交互に見た綱くんは、私の戸惑う姿を見て状況を感じ取ったようだ。
「茜は?どうしたいの?」
「・・・・・私は、」
綱くんは困っている私に、いつも助け舟を出してくれる。
せっかく、謝ってくれてるんだから平穏に終わらせたい。
「私も鬼の子で悪いから・・・・・」と、自分をぞんざいに扱えばこの場は丸く収まる。
そう頭では分かっているけど、気持ちの方が追いつかない。
———私、本当は・・・・・・。