鬼の子
「・・・・・そうだよね。本当にごめんなさい」
「申し訳なかったと思ってる」
「本当に酷いことをしてしまったと反省してる」
「謝って許されることじゃないと思うけど・・・・」
鬼の子なんかが、意見をしたので怒られると思っていた。素直に謝られたことに驚きを隠せなかった。
「茜、謝られてるけど、許すの?許さないの?」
「今まで凄く辛かったけど、謝ってもらえたのは、素直に嬉しいです。すぐには無理かもしれないけど、これからは、少しずつみんなと話せたら嬉しいでふ」
緊張して、大事なところで噛んでしまった。
沈黙が続いていたが、クラスの1人がぷっ、と吹き出すと、それに続くようにみんなが笑った。
そして、釣られて私も笑うのだった。
教室全体を穏やかな空気が覆っていた。