鬼の子

「ずっと俺だけのものだったのにな･････」


そう言ってしばらく私を見つめて、言葉を続けた。


「俺しか味方がいなかったのにな。
俺は、勘違いをしてたみたいだな」


「･･･勘違い？」


「茜は俺がいないとダメなんだって、ずっと思ってた。でも、本当はそんなことなくて、俺が思ってたよりも、ずっと茜は強かった」



「･････そんなこと、ないよ」


「鬼の子の呪いがあっても、負けずに頑張ってる。充分強いよ。好きだったなあ」



声が曇ってきて、あまりにも切ない声で呟くので、思わず泣きそうになったけど、深く息を吐いて、なんとか耐えた。