鬼の子
「鬼の子くるな」
「人殺し」
「早く辞めろ」
など、中傷をらくがきされた、綺麗とは言えない机とテーブルを自分で持ち上げた。
落書きは消しても消しても、何度も書かれるので消すことすら面倒になり、いつの日からか消すのをやめた。
私の席は窓側の1番後ろの端っこの席。クラスメイトとは距離がだいぶ離された位置にある。その定位置に自分で机と椅子を運ぶ。
これは、毎日のことで日課になっている。
毎日されることだと、頭が認識していても、心は突き刺されたように痛かった。
・・・痛くなんてない。
心は傷ついてなんてない。
心の中で何度も復唱して、自分に言い聞かせた。
———私は今日も自分の感情に蓋をする。