鬼の子




教室にはまだ何も書かれてない綺麗な黒板が見える。登校してきたクラスメイトは楽しそうに談笑していて笑い声が飛び交っていた。


ガヤガヤと騒がしかったクラスメイトも、私が教室に足を1歩踏み入れると、瞬時に静かになる。



みんなの視線が一斉に私に突き刺さる。


どくん、と心臓が波打つ。

この視線にも慣れっこだ。慣れっこのはずなのに、悪意に満ち溢れている視線に、私の鼓動はドクドクと速くなる。

平気なフリをして、私は何事もないかのように、自分の机と椅子を教室の端の一番後ろへと持っていく。



その間も視線は私に集まり続けて、教室は静まり返っている。毎日のことだが静まり返った空気感は、居心地は良くはない。



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