鬼の子
私達には時間の制限がある。話足りなくても、泣いてる途中でも、終わりの時間はやってくる。
「またね」
面会終了の時間が訪れた。大事な話の途中なのに、いつものように挨拶を交わしてさよならをする。
明日は来るのだろうか。明後日は?その次は?
最近の綱くんは、会話の節々に"死"が近いことを含めて話すような気がする。
綱くんがもうすぐ死んでしまう。頭で理解していたつもりでも、心は追いついていなかった。今まで経験したことのないような、恐怖が襲ってくる。