鬼の子
「・・・・・お前、鬼の子なの?」
綱くんは私に問いかける。眉間に皺を寄せて、怪訝そうな顔をしていた。
こ、怖い。
綱くんとは初対面だけど、目つきが鋭くて威圧感を感じる。
それに加えて眉間に皺を寄せるので、さらに怖さは増加されて、返事をするのに尻込みをする。
「・・・・・・聞いてんのか?」
黙り込む私に言葉を続ける。私は答えていいのか分からなくて、口を開けずにいた。
「綱くん!私達が説明するから、鬼の子に話しかけない方がいいよ?」
「とりあえず、離れた方がいいぜ・・・・・殺されるよ?」
"殺される"というワードは恐ろしかったからか、険しい顔をしながら、何か考えるように黙り込んだ。
殺さないよ!
殺したりする訳ない!
心の中で反論した。虐められていて発言権のない私は、口に出すことは出来なかった。