鬼の子


綱くんは転校してきたばかりだから、鬼の子の呪いの詳細を知らないはずだ。



———私が接吻(キス)した人は死ぬ。ということを。





呪いのことも伝えないと・・・・・・。
頭では分かっているのに、感情が邪魔をして言葉が出てこない。


呪いの事を伝えてしまったら、こんな風に話せなくなると思うと言葉にするのが怖かった。



もう少し・・・、もう少しだけ、
綱くんと話をしていたいなあ、



欲が出てこの日常を味わいたくなってしまった。


普通の人にとっては日常である、放課後にクラスメイトと談笑する事が、私にとっては特別だったから。
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