鬼の子


幼少期は、いじめられるとすぐに泣いていた私。


いじめられて私が泣いていると、
「鬼の目にも涙だ!」と有名なことわざを使って余計に(しいた)げられた。


子供なので、ことわざの意味を理解出来ていないだろうに、何が楽しいのか分からないがよくからかわれた。


泣けば泣く程言われ続けるので、

・・・もう、泣かないっ!
泣いてなんて、やるもんか!

その時に、子供ながらに決意した経緯があった。


決意してから数年、人前では泣いたことがない。


光希の前でも涙を見せることがなかった。
なので、今泣いている私を見て戸惑っているのだろう。

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