鬼の子



「・・・お前、転校生の綱?くんだよな、
転校生だから知らないと思うけど、茜は・・・・・・」

「茜は鬼の子。聞いたけど?」

「今日初めて会った奴に、なにがわかるんだよ」

「わからねぇよ、わからないから、これから知っていく」


———数十秒無言が続いた。
2人は今にも喧嘩が始まりそうな、そんな空気で、私は居た堪れなかった。


どうしよう。
気まずい!気まずすぎる!
・・・・この空気を変えたい。


「えっと・・・・・あの、
 3人で一緒に帰らない?」


気まずい空気感に耐えられずに口を開いた。
言った後に「私、何言ってんだ?」と自分で思ったけど、その時には言ってしまった手前、後に引けなかった。
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