鬼の子
「そうなの?理由あったんだ?」
様付けされていることに理由があることは知らなかったので、私も気になり会話に参加した。
すると、光希は立ち止まり私の目を見つめている。
「俺が男の鬼の子だから、様付けされたのが始まりだけど、様付けされるのに相応しい人格になるように努力してるのは・・・・・茜のためだよ」
「え?」
「茜が鬼の子の呪いのせいで、町の人から避けられたり嫌な事言われてるの知ってたから・・・・。
俺が同じ鬼の子として町の人に好かれてれば、そのうち茜も避けられなくなるかなって———」
恥ずかしいからなのか、私の目を見つめていた視線は、いつの間にか空を見上げている。
光希の顔が空と同じ夕焼け色に染まっていた。