鬼の子





———鬼の子の呪いを解く方法

考えた事がないわけでは無かった。
鬼王(きおう)家に産まれてしまったから、鬼の子の呪いは背負っていかないといけないとばかり考えていた。


鬼の子の呪いを解く方法があるかもしれないという可能性は、考えないようにしていた。期待や希望を持つほど、辛くなるから・・・。


「・・・・・でも、お父さんとお母さんが調べてくれたよ?調べてもなかったって」


「それって、茜が生まれた頃の話だろ?
 もう一回調べてみないか?俺達で」

「———って、これ言い出したのは(つな)なんだけどな!」


そう言った光希は綱くんに「光希、馬鹿か。それ言うなよ!」と小声で肩を小突かれていた。

そんな2人のやり取りを見て、クスっと笑った。
呼び捨てで呼び合うようになり、さらに仲が深まっていたことも微笑ましかった。
< 63 / 246 >

この作品をシェア

pagetop