鬼の子
私達は鬼の子の呪いについて記されているものを探すため、鬼王家に代々伝わる書物が保管されている蔵へ向かった。
蔵は敷地内の自宅の裏にある。普段は使われていないので、電気も通っているか分からない。
念のため、懐中電灯も持って行くことにした。
太陽は沈み、闇が辺りを覆っていた。
我が家はお父さんが住職として働くお寺の上にあるため、交通量の多い大通りからは離れていた。
街灯もなく、今ある光は我が家から漏れる光のみだった。
自宅から蔵までは500mくらいの距離がある。
古いお寺の敷地内なので、土地だけは無駄に広い。
蔵までの道は使うことが少ないので、手入れが行き届いていない。草は茂り、砂利や石がゴロゴロ転がって歩きにくい。