鬼の子
お母さんも、綱くんや光希のように、一緒に鬼の子の呪いを解く方法を探してくれると思っていた。
一緒に探してくれるわけではなく、突き放されたことに、心のどこかでショックを受けている自分がいた。
母だからと言って、娘のためになんでもしてくれるわけではない。
どんなに同じ時間を過ごしても、お母さんという人間のことが分からなかった。
「光希も、もう無断で蔵に入っちゃダメよ?分かった?こんなこと、二度としないように」
強い口調で念を押すと、重いため息をつきながらリビングを出て行った。
残された私達は顔を見合わせる。
口を開けて何かを言いたげな様子だったが、私はそれを遮るように下を向いた。