鬼の子
「なあ!これやったの誰?」
教室を覗き込み言葉を投げかける。クラスの半数以上は集まっているだろう教室の中は、騒ついていた。綱くんの問いかけに皆が戸惑っているのが見て分かる。
私はクラス中から嫌われている。
それは変えることの出来ない事実だった。
「・・・・犯人が名乗り出る訳ねェか」
「お前、クラス全員から虐められてんの?」
私に視線を戻して投げかけてきた。
悪気なく聞いてきたのだろうけど"クラス全員""いじめ"などの容赦ない言葉が私の心に突き刺さった。思わず顔が歪んでしまう。
「え、ああ、言い方悪かったな。
俺、慰めるっていうのが、上手く出来ねぇんだ」
私が落ち込んでいるのを見て焦ったのか、頭をポリポリと掻きながら、なんだか困っているように見える。