鬼の子
08 話合い
⋆⸜꙳⸝⋆


2学期は学園生活の中で一大イベントが多いといわれている。
まず、最初にやってくるイベントは球技大会だ。


クラス対抗なので、生徒達の対抗心に火がつく。
やはりスポーツは盛り上がる。クラス一丸となって戦うので、絆も深まりやすい。




よく晴れた日の日差しは暖かく、午後の授業は眠気を誘う。あくびをしたり、だるそうに机に突っ伏している生徒も何人かいる。


そんな風にクラスの士気が低い中、もうすぐ行われる球技大会の種目決めをするらしい。


「今日の授業は球技大会の種目決めな〜」



教卓に目を向けると、担任が少しだるそうに立って話している。


「後は学級委員、宜しく」


「生徒同士で全部決めてくれ」と言わんばかりに、学級委員に丸投げだ。

教室の端のパイプ椅子に腰をかけて、腕組みをして「ふう」と小さなため息をついた。


生徒達の自主性を伸ばすために口は出さない。と、以前に言っていたが、ここまで来ると、面倒だから学級委員に丸投げしているようにしか見えない。
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