桜のお姫様
そんな私の願いも虚しく、飛び出してきた姫喜とぶつかってしまった。

姫喜が来たってことは...

ああやっぱり。

透華のおでましか。めんどくせ。




「ふえ、牧原ちゃんひどいよ...
わざとぶつかってきた。姫喜痛いっ!」




ウザッ!てかキモッ!

そして、後からやって来た透華が私を責め立てる。

姫喜のシナリオ通り。



「お前、また姫喜をいじめたのかよ!?
懲りねぇヤツだな!!」

「ホント、最低ですね」

「きーちゃんに謝りなよっ!!」

「...裏切り者」



まあ罵る罵る。

“最低”、“裏切り者”か。



「咲良、お前ホンットサイテーだな!」



流斗(ると)の言葉に、私のなかでなにかが切れた。
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