桜のお姫様
「他にはなんにもいらない。
みんなだけで良いの。
姫なんて地位も、なにもかもいらないから信じてよ...
ねえ、信じてよ...」

「咲良?...」

「ハッ、そう言っておれたちを陥れるつもりなんだろ?
そうはいかねえぜ」

「そうそう」

「みんな、姫喜を信じてくれるの?」

「うん!」

「ありがとう、姫喜嬉しい!!」



届かない。

ただ、そう思った。

今のみんなには、私の言葉、全部全部届かない。

おかしいじゃん...

ねえ、あの子笑ってるよ?

こっちを見て笑ってるよ。

誰も、見てないの?

なんでっ!!...

私は耐えきれなくなってその場から走り出した。




「っ!」
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