朝を綴る詞
気がついた時には、
外は真っ暗で時刻は深夜2時を回っていた。

昨日アイロンをかけたはずのYシャツは
寝てしまったこともあり、
皺だらけになっており、
セットした髪もグシャグシャになっていた。

早くお風呂に入らないと。

そう考え、ベッドから立ち上がると
床に散らばった皺だらけの紙が
足先に当たる。



‘‘貴方が初めてのお客さんですーーー’’




力任せに握った拳。
思い浮かんだ少女の笑顔と
言葉を打ち消すように
掌に食い込んだ爪の痛みで塗り替えた。



「見るだけ、無駄だよ」



言い聞かせように、呟いた。
 


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