カクテル
「麻理さん、腰に手を回します、セクハラじゃないですよ、良いですか?」
「腰でも、お尻でも回してくださ〜い」
もう完全な酔っぱらいだ、、
彼女を抱き抱えて、エレベーターに乗り込んだ。
「508号室で合ってますか?」
「は〜い、いいと思います」
完璧な酔っぱらいだ、、
エレベーターの中では、ふらつく彼女を両腕で抱き抱えていた。
彼女を抱きしめてるのに、逆に抱きしめられているような感覚が、こんな状況でも僕を幸せな気分にさせる。
「もう少しだから頑張って、、」
力が抜けた人を支えるには倍の力が必要になる。
体力的に余り自信がないんだけどな、
なんとか彼女の部屋の前までたどり着いた。
「家の前に着いたよ。鍵はどこですか?」
「バッグの中、開けて良いから」
女性のバッグを開けるのは少し抵抗を感じるけど、、
幸いにも鍵は一番上にあった。
ドアの鍵を開けて、扉を開くと
そのまま、部屋の中に倒れ込む麻理さんに危険を感じて咄嗟に身体を入れ替えた、僕が下に彼女が上になる形で倒れ込んでしまった。
彼女の身体が覆いかぶさって、力が入らない。
「ま、麻理さん! 大丈夫ですか?」
オートロックの扉が閉まると、部屋の中は真っ暗で何も見えなくなった。