カクテル
明かりを付けないと、、ん、
麻理さんの手が何かを探してる、僕の顔を両の手のひらで見つけると、
「君嶋くん、捕まえた、、」
捕まえたって、何ですか、、
麻理さんは僕の首に両腕を絡ませて一息吐いた、
甘い吐息が僕の頬を撫でたその刹那、
麻理さんに唇を奪われた。
温かく、柔らい唇の感触が身体中を駆け巡る。
大人の色香が、夢心地の僕の鼻を刺激する。
されるがまま、力が抜けた腕が無意識に動いて彼女を抱きしめていた。
どれくらい、そうしていたか、、
やがて僕の首に回していた彼女の腕から力が抜けて、代わりに身体の重みが次第に増していく。
寝ちゃった?
身体を捻って、麻理さんをそっと床に下ろして、
手探りで照明のスイッチを探して付ける。
明かりが灯ると、白を基調とした部屋のインテリアが目に飛び込んできた、
ガラステーブルに、淡いグリーン色をした二人掛けのローソファー、その下には白黒のラグカーペット
見える範囲に生活小物は一切置かれていなかった、
麻理さんの几帳面な性格が窺われる。
初めて訪れた一人暮らしの女性の部屋は、まるでモデルルームの様な美しい空間だった。
両肩を手で優しく揺すりながら、
「麻理さんベッドで寝ないと、、」
「う〜ん 君嶋くん、連れてって、、」
麻理さんは、甘ったるい声で僕に身体を委ねる。