カクテル

「君嶋くんって呼ぶのもやめよかな、圭くんでいい?」

「それだけは絶対駄目です」

「なんで? 彼女がそう呼ぶの?」

「彼女は"圭ちゃん"って呼んでくれます」

「じゃあ、いいじゃない、圭くんでー」

「高校のときの元カノがそう呼んでました。元カノを思い出すからやめて下さい」

「えー、そんな昔の彼女のこと、まだひきずってるの? 今の彼女に悪いでしょ」

「麻理さんにそんな事言う資格はありません、彼女から僕を取ろうとしてるのに」

「はははっ、そうだね、
 う〜ん、じゃあなんて呼ぼうかな、

"君ちゃん"、タマゴみたいかー

"嶋・・ジロウ?" そんなキャラクターあったなぁ」


「いっその事呼び捨てにして下さい」

「いいの? 恋人同士みたいになるよ」

「いいです、どうせ二人っきりの時だけですから」

「なーる」


そんな下らない話が夜中まで続くと、酒の力を借りて睡魔が襲う。

「圭悟、私眠たくなっちゃった、早くエッチしよ」


げっ やばい、話に夢中で忘れてた、


「麻理さん、まだ飲み足りなくないですか、
 何か買ってきましょうか?」

「私はもういらないよ、また酔っぱらいになっちゃうからさ、圭悟も飲み過ぎると役に立たなくなるよ」

ナニが?


「麻理さん、お酒の締めはやっぱりラーメンじゃないですか、近くに美味しいラーメン屋さんはないですか?」

「もうお腹いっぱいだから、いらな〜い

それより眠たくなっちゃうから、圭悟、しよ、、」

なにを?


そうか、このまま麻理さんが寝てしまえば、僕は責められない。何とか寝かせる方法はないかな、
考える時間が欲しい。

「麻理さん、トイレ借ります」

時間を稼げば麻理さんは睡気に負ける、
何かいい方法が、、、

う〜ん、焦って何も思いつかなかった、
少しでも長くトイレにいよ。
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