カクテル
8.アレキサンダーシスター(繊細な心)
十二月に入って、グループの皆んなでクリスマスパーティを開く事になった、毎年の恒例らしい。
家族同伴OKで、既婚者の角さんや岸さんは奥さんを、横谷さんはご主人と小学生の子供を連れて参加するみたいだ。
「君嶋くんも彼女を連れてきたら」
「いいんですか? でも、、」
麻理さんは一人かぁ、僕が彼女を連れて来ると麻理さんが寂しい思いをするんじゃないかな、
「私も、君嶋くんの可愛くてしょうがない彼女に会ってみたいからさ、いいでしょ?」
まぁ、麻理さんがいいならそうするか、
「わかりました、聞いときます」
暮れも押し迫る十二月の終わり、
角さん行きつけのスナックを貸し切って、クリスマスパーティは行われた。
「麻由ちゃん、皆んな良い人だから大丈夫だよ」
「うん、でも圭ちゃん、麻由の近くに居てよ」
僕は、麻由ちゃんを伴って開始時間の十五分前に会場になるスナックに着いた、
店の扉を開けた瞬間、
クラッカーが鳴って、僕らを出迎えてくれた。
「メリークリスマス」
メンバーは既に集まって盛り上がっていた。
あれ、麻理さんの姿がないけど、
「横谷さん、麻理さんは?」
「今、奥で着替え中だよ」
「着替えって何ですか?」
「あっそうか、君嶋くんは初めてだからね、
毎年恒例の麻理さんのセクシー衣装だよ、さすがにあの服じゃ電車に乗れないからね」
僕は麻由ちゃんと顔を見合わせた。
「圭ちゃん、電車に乗れない程の衣装って、、どんなの?」
「僕にも分かんないよ」
とりあえず、麻由ちゃんを紹介しなきゃ、
「皆さん、すみません、彼女を紹介しまーす。
僕の彼女の"橘 麻由"でーす、宜しくお願いします」
麻由ちゃんは僕の横でコクンって頭を下げた。