カクテル
「君嶋くん、いいなぁ。変わって!」
「ヒューヒュー」
歓声が上がる
麻理さんが、僕の頬にキスをしようと近づくと、麻由ちゃんが間に割り込んで手を広げて止めた、
「麻理さん、やめて下さい!」
ま、麻由ちゃん、、
「ほっぺにキスするだけだよ」
「嫌です!」
目を潤ませて拒否した、
麻由ちゃんの気迫に圧倒されて、麻理さんも諦めた。
「そっか、ごめんね麻由ちゃん。
他の女が大事な彼氏にキスして駄目だよね、
私が悪かった、許してね」
こういうところは、麻理さんは大人だ、
「すみません、、」
場の雰囲気を壊してしまった。
僕は麻由ちゃんの両肩を押さえて座らせ、皆んなに頭を下げた。
すぐに麻理さんがフォローしてくれた、
「ごめんなさい、君嶋くんは駄目だったね。
私が軽率過ぎました。じゃあ代わりにキスして欲しい人いますか?」
驚いた事に角さんや岸さんが手を挙げて、
二人とも奥さんに頭を小突かれている。
それでも手を下ろさない、
"去年もじゃない"って言われてるから、
どうやら麻理さんの毎年の恒例みたいだ。
ジャンケンの結果、角さんがキスをしてもらう事になったけど、キスと同時に反対の頬を奥さんにつねられていた。
笑いが起こって、一気に場の雰囲気が明るくなった。
麻由ちゃんにも笑顔が戻って良かった。