カクテル
「麻由ちゃん、さっきはごめんぬ」
麻理さんが麻由ちゃんに謝って仲直りをすると、
「麻理さんは、誰でもキス出来るんですか?」
麻由ちゃん、そんなこと聞くの?
「誰でもって事はないけど、ほっぺならね、そんなに気にしないかな」
「本当のキスは?」
「それは、さすがに好きな人だけだよ、
麻由ちゃんは、ほっぺでも君嶋くんだけなの?」
「当たり前です、圭ちゃん以外の人となんて考えれません、私は圭ちゃんのものだから」
麻由ちゃん、、嬉しい、、
「君嶋くん、やっぱり麻由ちゃんが可愛くてしょうがないね、こんなに君の事が好きなんだからさ」
「はい、だから、ほっとけないんですよ」
「麻由ちゃんは、君嶋くんの何処が好きなの?」
「圭ちゃんは、いつも私を守ってくれるんです。
私が悲しむ事を、私の周りから排除してくれるから」
麻由ちゃんは、麻理さんの眼を真っ直ぐに見て、
キッパリと言い放った。
あたかも麻理さんも、
その一つだと言わんばかりに、、
「君嶋くんは、あなたの事で頭が一杯だから、
他の女の誘いなんて相手にしないよ」
自分の事を言ってる?
そんな事、麻由ちゃんは聞いてないのに、麻理さんが言い訳しているかのように聞こえた。
麻由ちゃんは、何かを察している、
これ以上、二人の会話は危険な感じがしていた。
僕と麻理さんの同僚以上の関係が、
麻由ちゃんにバレてしまうんじゃないか、、
僕は、そんな不安から二人の会話に割り込んだ。
「麻理さん、今の麻由ちゃんにピッタリなカクテルは何ですか?」
「うーん、夏のカクテルだけどブルーラグーンかな。"誠実な愛"を意味するから、今の麻由ちゃんの一途な想いに合うんじゃない」