カクテル

「チーママ!、ブルーラグーン作れるかな?」

麻理さんが、
カウンターの奥に居るチーママに聞くと、

「えっと、分かりませーん。ママ!作れるの?」

ママが助ける、

「ブルーキュラソーがないから出来ないよ。
 ウチでは簡単なカクテルしか作れません」

「そっか、残念だねー」

「麻理さん、どっちみち麻由ちゃんは未成年だから、カクテルは飲めません」

「まだ20歳前なんだー、肌もピチピチだもんね。
 羨ましいなぁ」

あっという間に予定の2時間が過ぎて、
パーティはお開きとなった。



麻由ちゃんを家まで送る帰り道、元気がない麻由ちゃんを見て、気になって訊ねた。


「どうしたの麻由ちゃん、つまらなかった?」

「圭ちゃん、、麻理さん綺麗だし可愛いね」

「会社の人気者だからね、皆んなに愛されてるよ」


あんなテンションが高い麻理さんも初めて見た、
まだまだ色んな顔を持っているんじゃないか。


「でも麻理さんは、圭ちゃんに気があるみたい」

ドキっとした、

麻由ちゃんは他人の感情を読むのに長けている。
勘が鋭いと言うのだろうか、ちょっとした仕草や言動から人の気持ちを読み当てる。


「あんなモテる人が僕なんか相手にしないよ」

「私には分かるんだ、圭ちゃんと話してる時だけ言葉の語尾が少し下がるし、手の指が無造作に動いてた」

「それがどうして僕に気があることになるの?」

「細かい心理まではわからないけど、圭ちゃんを意識してるからそうなるんだよ。
 それは嫌いな感情ではないはずだから、好きって事だよね」
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