カクテル

それから2週間後の月曜日、

麻理さんは、課長に呼ばれて会議室に入って行った。

約20分後、
険しい表情をして席に戻ってきた麻理さんに、

「何の話でしたか?」と聞いてみたが、

「君嶋くんには関係のない話だよ」

と素気なく返された。


その日麻理さんは、一日中思案に耽る難しい顔をしていた。


後になって考えれば、

この時、麻理さんはある重大な決断を迫られていたと思う、以前の二人の関係であれば間違いなく僕に相談してくれた筈だった。
しかし、あのマスターの店での一件以来、麻理さんは僕に遠慮する様になった。僕がもう少し麻理さんを気にかけていれば、未来は変わっていたかもしれない。
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